荒川観察記2
 

ネジバナ  02.7.9
ネジバナの花が最盛期なので、写真に撮ろうとその群落のある荒川土手に行くと一足違いできれい(?)に草刈りされた後だった。
ああ、なんてことだ!
ここは年に3〜4回草刈りトラクターで丸刈りにされるが、夏の花火大会に備えてのものだったんだろう。
2年前は、地域最大の群生地が河川工事で荒らされ今年も咲いていない。
それでも思い当たる所を捜すとパラパラと咲いており胸をなで下ろす。
河川管理局と足立区に一言。『花見人より花火客の方が大事なのかな?』
ネジバナ:野原に生える高さ20〜30cmのラン科の野草。
     桃紅色の可憐な花をネジ状に付けるので人気がある。


あの有名な荒川  02.6.28  
昨日の夕方小雨の中、5〜6Kmの道のりをアトリエから家まで自然観察を兼ねて歩いて帰った。
小菅の下水処理場の排水路が荒川に繋がっているが、数羽のコアジサシが盛んにダイビング
を繰り返していた。2、3回に一度位の高確率で小魚を捕らえている。上手いもんだと感心し
ながら一方ではそれを支える意外な環境の豊かさにも感心した。見た目には決して豊かでは
ない。水も汚いしゴミも多い平凡なところ。
ところが、この場所はテレビ通にとっては有名な場所なのだ。
「3年B組金八先生」の野外ロヶの現場はここの対岸をメインにしてそこら中。ロケの現場に
も出くわした。ドラマの中、川向こうの河川敷を自転車押して鳥を見てたらそれは私です--
-。と、冗談はさておき、あの有名な荒川土手はご存知だろう。
ドラマの放映を見ていてなにかすこし違和感を覚えはじめた。人生訓に満ちた感動的な学園
青春ドラマに目が潤んだ事は否定しないが、何かが足りないのだ。
そう、自然との関わりがほとんどない。開放的な荒川河川敷はドラマに潤いを与えるが、そ
れ以上のものを要求されていない。すべて人間社会中心のシナリオで終始なのだ。
自分は荒川の自然から実に多くの事を学び感動を受けた。大事なことがなにかを知った。そ
の荒川とあまりにも違う。
もし、あのドラマの中にそうしたものが組み込まれたならば「3年B組」の悩める生徒達も
もっと楽になっただろうに、などとフィクションにいちゃもんをつけながら再び頭上のコア
ジサシを眺めた。
ふ〜ん、コアジサシは左旋回なんだ。嘴を下に向けて飛ぶんだ。羽搏き角度は少ないんだ。
ヒバリとオオヨシキリのさえずりが聞こえて来た。カワウが不忍池方面に飛んで行く。ムクド
リは地面からミミズを食わえ出し自分で驚いている(?)。
ああ、ゆたかだなあ!
1時間半の行程で足はきつかったが、今日も得した気分。
人間社会でカサカサの諸兄諸姉、荒川ノンフィクションの旅如何でしょう?
(まあ、荒川でなくどこでも「感察」できます。)
*余談ながら、「寅さん」の柴又も近いし、「こち亀」の舞台もすぐそばだけど、なんだかい
やなんだなあ。どうも自分のキャラと離れ過ぎている----。


アマサギ   02.6.25
今朝通勤途中、荒川で一羽のアマサギを見た。
アマサギは初めてなので急に胸が高鳴る。
スタジオで図鑑を3册取り出し、間違いない事を確認。
ちょっといい気分になった。
*アマサギ
夏羽では、頭から首が橙色になるシラサギ類でコサギよりやや小さい。
日本には夏鳥として普通に渡来する。


コアジサシ  02.5.13
荒川にコアジサシが来ている。
全体に白く頭上が黒い。くちばしは黄色くて先端が黒い。
遠目では夏羽のユリカモメに見えるが、翼が長くゆらゆらとした飛び方で小さくスマート。
しばらく見てると空中からダイビングを繰り返していた。
砂礫地が少なくなって営巣箇所が減少とのこと。


水元公園  02.4.30
28日久々に妻と水元公園に行って来た。毎年GWは区の子供祭りが開かれるので昔は子供を連れてよく行っていたが、今年は娘がスタッフとして参加なので様子見方々だった。
もちろん、主目的は探鳥と自然観察。
林の中にバーダーが集結、教えてもらいオオルリ(雄)とサンショウクイを始めてみた。オオルリは下からだったので頭のルリ色しか見えなかったのが残念。
サンクチュアリーでは、カワウ/サギ類のなかにヨシガモのペアがまだいた。頭の黒くなったユリカモメはもうすぐいなくなるだろう。
ウマスゲ.ジシバリ、オヘビイチゴ、ホタルの卵などを見ていると、植物接写カメラマンが声を掛けて来て、自作のあおり機構のついたカメラを覗かせてくれた。地元の植生に詳しいらしいので、センニンソウ、キクイモの自生地を聞くと地図に描いて教えてくれた。ラッキー。
ニセアカシアのピンクの花を見てる時は、植物に詳しい85才のおばあさんと会話が弾み、自宅にキクイモがあるとか妹が日本画のグループ展をやるとかで住所まで教えてくれた---。
なぜか、お年寄りには人気があるんです(?)。
ショウブ田の隣にはレンゲソウが咲いていた。


東京自転車散歩  02.4.19
気まぐれで無謀にも、原宿の画廊まで自転車で行って来た。
片道20Km弱を1時間半でとばす。
良い気候だし春の景色もいい。荒川を越え隅田川を越え上野公園の中を通り不忍池を中央突破。湯島天神の横を登り順天堂病院に下り右折、神田川ぞいに東京ドームを右に見て飯田橋市ヶ谷四ッ谷、迎賓館正面、学習院初等科の下校生徒に気を付けながら、明治記念館の坂を降り登り、神宮球場/明治公園/ビクタースタジオ、明治通りを左折表参道を冷やかし裏道から目的のRE-MAへやっと到着。
もちろん、野鳥もチェックしながら---まあまあの往路。
下のアート情報の北見葉胡さんの絵と馴染みの友人達との会話でリフレッシュ。
帰路は7時半出発、もう暗くなっている。
〜行きはよいよい帰りはこわい〜---。
方向感覚がやや狂って来た。
いやに快適な道だと思って走っていたのは東京大学のキャンパス内だった。広いし出口が無いしぐるっと回って裏門から脱出。
千駄木の昔の仕事場を過ぎた辺りから、左膝に違和感が出てくる。
やばい!帰り着けるか。
ここで、夕食を兼ねて休憩。
9時半過ぎ、無事仕事場帰着。
やっぱり、歳だな。


ロバート・レッドフォードからの手紙  02.4.16
他の掲示板の情報に
「アラスカの自然を救え!ロバート・レッドフォードからの手紙」と
いうのがありました。
これだけ世界が狭くなると、アラスカのことと言えど他人事ではなく自分達に関係してきます。
野鳥達を見ていると渡りを中心に地球規模が当たり前です。
シベリア.アラスカはバードウォッチャーの憧れの聖地でもあります。
私の夢は、手付かずの大自然の中で数万羽という鳥たちの飛翔を眺める事ですが、この手紙が訴えるように年々その夢が遠のいて行く気がして残念でたまりません。
関心のある方は下のアドレスからどうぞ読んでみて下さい。
http://www.yamaen.co.jp/ecology-japan/info/topics/20010528.html


土筆  02.3.2
荒川の堤防斜面に土筆が結構でています。
その他にも春の野草たちが---。
ホーム/Lounge/フィールドノート/に詳細と写真をリンクしたので見て下さい。


早春の荒川/土筆  02.2.27
今年は春の訪れが早いらしい。荒川もゆっくり見てなかったのでデジカメを持って2月末の河川敷を歩いてみた。一見土色の土手では本番を待切れず野草達が装いを始めている。なぜか日陰斜面の方に土筆が顔を出している。ホトケノザはもっと前から花を付けていたし、オオイヌノフグリの花も多くなっている。セイヨウタンポポ、ノゲシ、オランダミミナグサなども開花。
やはり春は侮れない。これからゴールデンウイークのピークに向けて目が離せなくなるなぁ。
写真をリンクしてるので見て下さい。ノゲシの向こうは通勤用マイ自転車です。 


キクイモ  02.2.13
仕事で健康食品のイラストを描く事になったので資料集めにショップと書店に行ってきた。いまさらながらではあるが、そのバリエーションはすごい。キノコ類だけでもアガリクス茸を始め冬虫夏草、霊芝、メシマコブ、マイタケ、ハタケシメジ、カバノアナタケ、ヤマブシタケなどの商品がずらり並んでいる。本屋でも書棚をみながら「ガンに効くのならあの人に」、「親の病気にこれが効果あるのなら」、「花粉症にはこれが効くのか」などと頭をよぎり拾い読みに時間を取られてしまった。
結局3册本を買ったが資料が足りないので、仕事場でもインターネットで探す。検索ページを次々に見て行くとここも凄い世界だった。
そしてこれはたんなるブームではなく、病気を克服したいと願う人の多さの顕現化なんだということに気が付いた。(しかし商品はなんであんなに高いんだろう---)
その食品の中にキクイモと言うのがあり糖尿病に効くとあったが、キクイモは毎年夏に荒川河川敷で黄色い花を咲かせている身近な帰化植物である。眺めるだけだったキクイモが急に愛しくなった。
今その場所で改修工事が始まっているが、今年は花が咲くだろうか。


都会のカラス  02.2.4
先週仕事の帰りに明治神宮の森に行ってきた。目的は北池にいるオシドリの観察と撮影。原宿口から人気のない裏道を歩くとシロハラ1とシメ1を見やすい位置で発見。ワクワクしながら進む。関係者以外人がほとんどいないので薄暗い巨木に囲まれた土の道は、ここが都心である事を忘れさせてくれる。森独特の匂いも久し振りで冷気が適度に肌を刺しいい気分だった。
鳥影は少ないが、道の上に白い糞がやたら目立ち、多いところを通過する時は頭上を見上げ直撃をされないように気を付けた。カラスの鳴き声と羽ばたきだけは多いのだ。
そう、思い起こせばここ神宮の森は都内でも有数のカラスのねぐら場所だった。新聞の情報によると6100羽がいるらしい。石原都知事のカラス退治作戦の最前線だったのだ。とすると糞の爆弾攻撃も戦場としては当然かと、妙に納得---。
約30羽のオシドリとマガモ5羽の北池はそこだけささやかに華やかだった。
カラスに恨みはないが、あまりにもバランスが悪い。
野鳥の会会員でも鳥の好き嫌いはあるんです。


春近し    02.1.16
近所の小学校にある紅梅のつぼみが開きはじめた。
ホトケノザの新芽が伸びた気がする。
今日は雨になりそうだが、このところ春の陽気だったからなあ。


舎人公園   ’02.1.20
11日と18日舎人公園にヨシガモを見にいった。11日はYさんと一緒。いつものところに見当たらないので広い公園をあっちこっち歩き回るがいない。オナガガモ・ホシハジロ・オカヨシガモ・バン・オオバン・キンクロハジロは多い。釣り人もいるのでアシの中に隠れているのかも知れない。
午後もう一度行ってみるとアシの手前に居るとカメラマンが教えてくれた。デジタルカメラをプロミナーに接続し三脚に乗せる。約2000mmの超望遠で画面一杯に見えるのだが、画面固定が難しい。水面を右に左に移動するし、風があるのでカメラもぶれる。何よりの問題は自分の視力、老眼のせいで眼鏡を外さないと液晶モニターが見えないし、外すと肉眼で鳥を確認できない。結局いい写真は撮れなかったと言う訳である。
しかし、(野生で)初めてみたヨシガモはドレッシーで優雅。後頭部がふっくら、胸の細かい模様、尾のように見える長い三列風切、絵にするのも難しそうだ。


鳥情報   ’02.1.11
Yさんから「足立区の舎人公園にヨシガモが来てる」と弾んだ声で電話があった。ヨシガモは珍しいし、ここから近い。土日までいるかな。カメラを持って行かなくちゃ---。
いつもの荒川で、アオジ2発見。汀線(波打ち際)上にハクセキレイ・ツグミ・コガモ・ユリカモメと一緒にスコープの中に納まって見える。ツグミに幅寄せされながらこっちに近付いてくる。何となく贅沢な気分。
仕事場のベランダに水とワイルドライスを置いてみたら、スズメが来るようになった。ワイルドライスはKさんにもらったカナダ産のマコモ属の穀物でとても堅い。スズメには贅沢だとKさんに叱られそうだが、きれいにたいらげてしまう。


荒川下流自然記008 ’01.12.20
忙しさにかまけ長い間放置してたこのページを、リニューアルを期に再開です。
唯一の気晴らしバードウォチィングも最近は遠出ができずもっぱらマイフィールドの観察。
我孫子のワイルドライフアート展でもらったコーワ20倍単眼鏡を片手に霜の降りた河川敷を上流に歩く。今年はツグミが目立つ。3日前やっとジョウビタキ雄を初見、鳩とハクセキレイとムクドリとスズメが混群で除草後の土手で餌を漁っていたが、タヒバリ3も一緒に居た。モズ1、アシ原にセッカの群れ、6m位の距離で20倍だから感動的によく見える。
ハシボソガラス2が空中からなにか落とした。何度も拾っては落とすのでクルミの実でも割っているんだろうか。確かめようと近付くとくわえて飛び去った。
「カラスさん、芝生の上じゃ割れないよ!」
ユリカモメ200、カワウ3、コガモ5、オナガガモ50、キンクロハジロ5、ホシハジロ5、コサギ1、ホオジロ2、そしてタンポポとシロツメクサの花多数。